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コラム

噛み合わせ治療の最前線|デジタル咬合分析による精密診断で変わる歯科治療

2025.12.08

噛み合わせの問題、あなたは気づいていますか?

「食事をすると顎が疲れる」「頭痛や肩こりが治らない」・・・

そんな悩みを抱えていませんか?

実は、これらの症状の根本的な原因が「噛み合わせのズレ」にあるケースは少なくありません。噛み合わせは、わずか0.1ミリ以下のズレでも全身のバランスに影響を及ぼす、極めて繊細な領域です。従来の歯科治療では、歯科医師の経験と勘に頼る部分が大きく、患者様一人ひとりの精密な咬合状態を客観的に把握することが困難でした。

しかし、デジタル技術の進化により、噛み合わせ治療は大きな転換期を迎えています。デジタル咬合分析システムを用いることで、咬合の「力」と「タイミング」を可視化し、科学的根拠に基づいた精密な診断と治療が可能になりました。

デジタル咬合分析がもたらす革新

従来の咬合紙を用いた検査では、噛んだ跡の色の濃さで判断していました。

しかし、この方法には限界があります。咬合紙は「どこが当たっているか」を示すことはできても、「どれくらいの力で当たっているか」「どのタイミングで当たっているか」という重要な情報を正確に測定することはできません。

デジタル咬合分析システム「T-Scan」は、この課題を解決する画期的な技術です。センサーを噛むことで、咬合接触の力とタイミングをリアルタイムでデジタルデータとして記録し、視覚的に表示します。これにより、従来は歯科医師の主観に頼っていた咬合診断が、客観的なデータに基づいて行えるようになりました。

T-Scanが可視化する咬合の真実

T-Scanは、咬合接触の分布を色分けして表示します。赤い部分は強く当たっている場所、青い部分は弱く当たっている場所を示し、理想的な咬合では全体が均等な色になります。また、時間軸に沿った咬合力の変化もグラフで表示されるため、噛み始めから噛み終わりまでの動的な咬合状態を把握できます。

この技術は、顎関節症治療だけでなく、インプラント治療やセラミック治療における咬合トラブルの回避にも大きく貢献しています。治療前後の咬合状態を客観的に比較できるため、患者様にも治療効果を分かりやすく説明できるようになりました。

科学的根拠に基づいた治療計画

デジタル咬合分析により得られたデータは、治療計画の立案に不可欠な情報となります。

どの歯をどれだけ調整すれば理想的な咬合が得られるのか、数値として明確に示されるため、治療の精度が飛躍的に向上します。また、治療後の経過観察においても、咬合状態の変化を定量的に追跡できるため、長期的な安定性を確保することが可能です。

包括的治療における咬合診断の重要性

歯科治療は、一本の歯だけを診るのではなく、お口全体を一つの器官として捉える必要があります。

包括的治療とは、現在の症状だけでなく、その原因を追求し、お口全体のバランスを整える治療アプローチです。この治療において、正確な咬合診断は最も重要な要素の一つとなります。

咬合器を用いた精密診断

フェイスボウトランスファーという技術を用いて、患者様の顎の位置関係を咬合器上に再現します。これにより、お口の外で歯の模型を動かしながら、理想的な咬合関係を検討することができます。デジタル咬合分析で得られたデータと組み合わせることで、より精密な治療計画の立案が可能になります。

資料採得から治療計画まで

包括的治療では、初診時に詳細な資料採得を行います。口腔内写真、顔貌写真、パノラマレントゲン写真、歯周基本検査、スタディモデル、そしてデジタル咬合分析・・・これらの検査結果を総合的に分析することで、現状の正確な診断と、患者様に最適な治療計画を立案します。

治療計画は、患者様のライフスタイルやご希望を考慮しながら、複数の選択肢を提示します。それぞれのメリットとデメリットを丁寧に説明し、患者様が納得された上で治療を進めることを大切にしています。

顎関節症と咬合の深い関係

顎関節症は、噛み合わせのズレが引き起こす代表的な疾患です。

顎の関節には「関節円板」というクッションの役割を果たす組織があり、これが正しい位置からズレることで、様々な症状が現れます。口を開けるときの「カクカク」という音、顎の痛み、口が開きにくいといった症状は、多くの場合、咬合の問題と密接に関連しています。

顎関節症の分類と治療アプローチ

顎関節症は、その原因や症状によっていくつかのタイプに分類されます。Ⅰ型は咀嚼筋そのものの障害、Ⅱ型は関節包や靱帯の障害、Ⅲ型は関節円板のズレによる障害です。それぞれのタイプに応じた適切な治療が必要であり、デジタル咬合分析は、どのタイプの顎関節症であるかを判断する上でも有用な情報を提供します。

治療用義歯による顎位改善

顎関節症の治療では、治療用義歯を用いて顎の位置を調整することがあります。この治療用義歯により、顎関節や筋肉への負担を軽減し、症状の改善を図ります。デジタル咬合分析を併用することで、治療用義歯の調整をより精密に行うことができ、治療効果を高めることが可能です。

デジタル技術が支える精密補綴治療

補綴治療、つまり被せ物や詰め物の治療においても、デジタル技術は大きな役割を果たしています。

CAD/CAMシステムを用いることで、コンピュータ上で補綴物を設計し、ミリング機械やプリンターで製作することが可能になりました。この技術により、従来の手作業による製作と比較して、より精密で適合性の高い補綴物を提供できるようになっています。

デジタル印象採得の利点

口腔内スキャナーを用いたデジタル印象採得は、従来の型取りと比較して、患者様の負担を大幅に軽減します。嘔吐反射が強い方でも快適に型取りができ、また、デジタルデータとして保存されるため、再製作が必要になった際にも迅速に対応できます。

さらに、デジタルデータは歯科技工士との情報共有にも活用されます。情報通信機器を用いて、歯科医師と歯科技工士がリアルタイムで連携し、患者様一人ひとりに最適な補綴物を製作することが可能です。

3Dプリンターを活用した義歯製作

3Dプリンター技術の進化により、義歯製作の分野でも大きな変革が起きています。デジタルデータから直接義歯を造形することで、製作時間の短縮と精度の向上が実現しています。特に、トライインデンチャー(試適用義歯)を3Dプリンターで製作することで、最終的な義歯の仕上がりを事前に確認し、患者様の満足度を高めることができます。

三宅歯科クリニック自由が丘における最新治療

当院では、日本顎咬合学会かみあわせ認定医として、科学的根拠に基づいた精密な咬合治療を提供しています。

デジタル咬合分析システムをはじめとする最新の診断機器を導入し、患者様一人ひとりのお口の状態を正確に把握した上で、最適な治療計画を立案しています。完全個室のプライベート空間で、担当医・担当衛生士による丁寧な診療を行い、患者様が安心して治療を受けられる環境を整えています。

できるだけ神経を抜かない治療

歯の神経を残すことは、歯の寿命を延ばす上で非常に重要です。当院では、精密な診断と治療技術により、できるだけ神経を抜かない治療を実践しています。手術用顕微鏡を用いた根管治療など、高度な技術を駆使して、患者様の大切な歯を守ることに全力を尽くしています。

保険診療でのメンテナンス

当院では、他の医院では自費診療で行うようなお口のメンテナンスメニューを、保険診療で提供しています。独自の予防プログラムにより、虫歯や歯周病を未然に防ぎ、患者様が生涯にわたって健康な歯を保てるようサポートしています。

まとめ|科学的根拠に基づいた噛み合わせ治療の未来

デジタル咬合分析技術の登場により、噛み合わせ治療は経験と勘に頼る時代から、科学的根拠に基づいた精密診断の時代へと進化しました。

咬合の力とタイミングを可視化し、客観的なデータに基づいて治療を行うことで、より確実で長期的に安定した治療結果が得られるようになっています。顎関節症、補綴治療、義歯製作など、あらゆる歯科治療において、デジタル技術は患者様の利益に直結する成果をもたらしています。

噛み合わせの問題は、放置すると全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。少しでも気になる症状がある方は、早めに専門医に相談することをお勧めします。

三宅歯科クリニック自由が丘では、最新のデジタル技術と豊富な経験を活かし、患者様一人ひとりに最適な治療を提供しています。お口のお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

詳細はこちら:三宅歯科クリニック自由が丘

院長・歯科医師

三宅 甲太郎Kotaro Miyake

お困りの際はぜひ私たちにご相談いただけたらと思います。必ずお力になれると考えております。

認定医・資格

日本顎咬合学会かみあわせ認定医

所属学会

日本歯周病学会
日本口腔インプラント学会
日本顎咬合学会
AO(米国インプラント学会) 日本ヘルスケア歯科学会

勉強会

スタディーグループ赤坂会理事
東京SJCD CMS

パーソナル情報

血液型:A型
出身地:東京都
趣味・特技:ダイビング、スキー、スノーボード、旅行
好きな食べ物:生がき

記事監修医師

三宅 甲太郎 院長
三宅 甲太郎 院長 三宅歯科クリニック 自由が丘